国内で使われていないとされていたトレモライトなど3種類のアスベスト(石綿)が
東京の保育園など8か所の公共施設で検出されていたことが分かった。
各自治体は2005、06年度に、学校などを対象にアスベストの一斉調査をしたが、
読売新聞の調べでは、都道府県や政令市などの75%がこの3種類については調査していなかった。
発がん性が指摘される6種類のアスベストのうち3種類が、無警戒のまま放置されている恐れもあり、
今後、公共施設の再調査や検査態勢の見直しを迫られそうだ。
アスベストは断熱性、防音性に優れ、1960〜70年代に建材などに使われたが、
06年に製造・使用が全面禁止された。
国内では、主なアスベスト建材メーカーが、6種類のうち白石綿、茶石綿、青石綿以外は使っていないとしており、
これ以外のアスベストはないとされていた。
しかし、07年3月までの自治体の調査で、都内3区と横浜、千葉、新潟の3市でトレモライト、アンソフィライト、
アクチノライトの3種類のアスベストが見つかった。
東京都中央区の区立保育園(07年12月に移転)では、トレモライトが機械室天井の
吹き付け材から53%の高濃度で検出された。
国は05年度、兵庫県尼崎市で「クボタ」旧神崎工場の周辺住民に健康被害が発覚した問題を受け、
各自治体に公共施設のアスベスト使用実態調査を依頼した。
国は全6種類の検査を想定していたが、調査の依頼書には種類が明記されておらず、分析手順を示した
日本工業規格(JIS)でも、検査対象は「主に白、茶、青」としか記されていない。
読売新聞が都道府県と政令市、県庁所在市、特別区の120自治体に聞いたところ、教育施設は91、
その他の施設は89の自治体が3種類しか検査していなかった。
トレモライトなどは、6種類を対象にしたり、検査会社が独自に検査項目を増やしたりした自治体で見つかった。
東洋大の神山宣彦(こうやまのりひこ)教授(労働衛生工学)は「国内では3種類しか使われていないというのが
業界や学界での常識だった。
だが、高濃度で見つかった例がある以上、使用量などの再調査が必要だ」と話す。
JISは今春にも、全6種類を検査対象と明記するよう改訂される見込みだが、自治体に調査を指示した
文部科学省と総務省は「今後の状況を見て対応を考えたい」としている。
(2008年1月5日3時2分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080105it01.htm 依頼です。
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/wildplus/1197250782/442