ハクチョウの飛来数日本一で知られる山形県酒田市の「最上川スワンパーク」周辺で、送電用の鉄塔や電線にハクチョウが
接触・衝突する事故を防ぐため、東北電力(本社・仙台市)が、衝突よけの「発光プレート標識」を開発、実証実験を始めた。
送電線などにつり下げて目立たせ、事故防止につなげたいとし、ハクチョウの保護活動に携わる関係者は「少しでも役立ってほしい」
と効果に期待している。
同パーク周辺は毎年約1万羽が飛来し、11年連続で日本一となっている。今冬も10月中旬に第一陣が訪れ、
ボランティア団体「酒田市白鳥を愛する会」によると、約9000羽(11月下旬)が飛来している。
同会によると、パーク周辺にある鉄塔や送電線の下では毎冬、墜落したハクチョウが20羽ほど見つかる。
同会の碇谷(いかりや)啓二会長は「パーク周辺は鉄塔以外に高い建物がなく、鉄塔や送電線にぶつかるのでは」と話す。
東北電力は20年ほど前から、送電線の着雪防止用の「難着雪リング」に色を付けるなどしてきたが効果は今ひとつ。
今回は、より目立たせようと、日中に光をためて夜間に発光する「蓄光材」を使い、夜でも青白く光るようにした。
プレートは縦10センチ、横4・5センチの長円形で約1000枚作製。パークから約3キロ離れた鉄塔最上部の「架空地線」
(地上45メートル)に、30〜150センチ間隔で約1000枚をぶら下げた。
東北電力酒田技術センターの高橋更司副所長は、「表面積が広く、今までよりハクチョウが気づきやすいのではないか」と期待。
耐久性や光り具合などを調べ、改良も検討する。
(2007年12月31日10時28分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071231i502.htm