ポーランド、ハンガリーなど旧東欧諸国を中心とする9カ国が21日、欧州における国境の撤廃
を目指す「シェンゲン協定」に加盟する。国境での出入国審査がなくなり、冷戦時代に「鉄のカ
ーテン」で隔てられた旧東欧から、旅券を持たずに旧西欧に旅行ができるようになる。これによ
り、協定加盟国は24カ国に拡大するが、犯罪増加への懸念も強い。
シェンゲン協定は85年にフランス、西ドイツ(当時)、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの5
カ国が締結。旧東欧諸国など10カ国が04年に欧州連合(EU)に加盟したのを機に今回の拡
大が決まった。9カ国の加盟により、協定が適用される地域は面積360万平方キロ(人口4億
人)となる。
21日には新規加盟国との間で陸路・海路での出入国審査が廃止され、来年3月30日からは
空港での審査もなくなる予定。日本人などの外国人旅行客もいったんシェンゲン協定地域に入
れば旅券を提示せずに移動できる。
EUの内閣にあたる欧州委員会のバローゾ委員長は旧東欧諸国のシェンゲン協定加盟を「欧
州和解の象徴」と評価した。20日には新規加盟4カ国に囲まれるオーストリアの国境付近など
で記念式典が開かれた。オーストリア・スロバキア国境の会場には「国境なしにメリークリスマ
ス」と大書された幕が掲げられ、両国政府首脳ら約300人が「自由往来時代」の実現を歓迎し
た。オーストリアのグーゼンバウアー首相は「拡大は犯罪と不安定さでなく、平和と安定を意味
する」と力説、スロバキアのフィツォ首相は「歴史的な日だ。スロバキアはEU全体の境界の警
戒に責任を果たしたい」と語った。
今後、各国はEUの犯罪データなどを利用し、国境を越えた犯罪摘発にあたる。だが、オースト
リアでは、民間調査会社の世論調査に国民の75%が「シェンゲン協定の拡大で犯罪が増える」
と答えるなど、反発も強い。
シェンゲン協定現加盟国
ポルトガル、スペイン、フランス、イタリア、ベルギー、ルクセンブルク、オランダ、ドイツ、オース
トリア、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、ギリシャ(以上EU)、ノルウェー、アイスランド(
非EU)
今回加わった新規加盟国
チェコ、エストニア、ハンガリー、リトアニア、ラトビア、マルタ、ポーランド、スロバキア、スロベニ
ア(すべてEU)
ソース:毎日jp
http://mainichi.jp/select/world/news/20071221ddm007030004000c.html 依頼元
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/wildplus/1197250782/178