元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏(52)がJFL・FC琉球の総監督に就任することが
17日、明らかになった。19日に那覇で、20日には都内でトルシエ氏が出席して記者会見
が行われる。同氏はチームの指導だけでなく、子供たちを対象にした「トルシエ・アカデミー」
の設立構想もあり、将来の日本代表選手育成にもつなげたい考えだ。
FC琉球は03年2月にJリーグ入りを目指して設立され、06年から沖縄のチームとして初め
てJFLに昇格した。だが、2年目の今季も不振で18チーム中17位。チーム関係者が今後
の強化策を話し合った結果、カリスマ性のある大物指導者の招へいが不可欠と判断した。
複数の候補者の中から絞り込み作業を行い、最終的に02年W杯日韓大会で日本代表を
16強入りさせたトルシエ氏をリストアップ。今夏から猛アタックを開始した。
同氏は日本代表監督を退任後、カタール代表やマルセイユ(フランス)などの監督を務めて
いたが、05年にモロッコ監督を辞任した後はフリーな立場にいた。沖縄との接点はなかった
が、交渉を重ねるうちに、同氏が沖縄の歴史や環境に大きな関心を示したこともあって、
このほど「総監督」就任を了承。最近もアイルランド、ベナン、オーストラリアなどから代表監督
就任の打診があったがすべて断り、FC琉球に全力を注ぐことになった。新監督の選任も
一任されたトルシエ氏は、関係者に「W杯の代表監督もビッグクラブの監督も経験したが、
夢と情熱しかないクラブチームを一からつくり上げる壮大なチャレンジにロマンを感じる」と
話しているという。契約金などの具体的な条件については今後、詰めの作業に入るが、
契約期間は複数年になる予定だ。
トルシエ氏にとっては代表監督退任以来、約5年半ぶりの日本サッカー界復帰。年間約
120日は沖縄に滞在し、トップチームの指導だけでなく広くチーム全体の強化にかかわって
いくことになる。地域の子供たちの指導にも関心を持っており、FC琉球の下部組織だけで
なく、沖縄全体のレベルアップにも力を入れる。さらに「トルシエ・アカデミー」を設立する
構想も持っており、将来の日本代表選手育成にも力を注ぐ考えだ。
「沖縄の人たちと力を合わせて地域のレベルアップを図り、子供たちに希望を与えるこの
プロジェクトは大いに刺激的だ」とトルシエ氏は話している。02年W杯で日本サッカーの
歴史に大きな1ページをしるした男が、沖縄を拠点に新たな挑戦を開始する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071218-00000020-spn-spo