東京・浅草の雷門周辺の歩道で客待ちしている観光用人力車が通行の妨げになっているとして、
警視庁は来月下旬にも人力車専用の駐車帯を設けたうえで、指定場所以外での駐車を全面的に
禁止することを決めた。
人力車はレトロな雰囲気の外観や、名所を回りながらガイドをしてくれる楽しさから人気を集め、
京都や奈良、鎌倉などの観光地を走っているが、同庁によると、こうした規制は全国で初めて。
浅草署によると、雷門前には10年ほど前から登場し、現在は8業者計約60台が営業している。
人力車は道路交通法では、自転車やリヤカーと同じ軽車両の扱い。車道と同様、歩道上の駐車も
違法だが、休日には歩道で客待ちをする人力車が20台近くにもなり、観光客からも「歩きにくい」
「危ない」などといった苦情が出ていたという。
警視庁では人力車との共存を図るため、都公安委員会の承認を得たうえで、雷門前の区道の
一部約20メートルを専用の駐車帯に指定。駐車禁止の対象から人力車のみを除外する補助標識を
設置する。
これでタクシーの待機場所のように、人力車10台分程度の駐車スペースができる。駐車場所以外
での駐車や乗車は原則禁止にし、規制に従わない業者には指導や警告を行う方針だ。
業者側も「駐車で迷惑をかけていることは認識していた。規制を受け入れたい」としている。
実施されれば、人力車は駐車スペースが空き次第、自社の車庫から1台ずつ出てくることになる。
既に、業者間の連絡会が発足し、効率的な出庫方法を検討している。
浅草署は「人力車は観光名物の一つになっているが、無秩序に駐車する現状は好ましくない。
浅草で市民権を得るための第一歩として、マナーを守ってほしい」と話している。
(2007年12月17日14時35分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071217i506.htm