北九州市が2009年度末の開設を目指す「(仮称)漫画ミュージアム」の基本コンセプト検討委員会(松本零士委員長)は12日、
ミュージアムのテーマを「見る」「読む」「描く」とする基本方針の報告書を、北橋健治市長に提出した。漫画の魅力を伝える
「漫画ソムリエ」を常駐させ、市民との対話も促進。総合漫画博物館としては九州初の施設となる。
報告書によると、ミュージアムは幅広い世代が集う漫画文化の拠点と設定。テーマの1つ「見る」については、
「銀河鉄道999」で知られる松本委員長の作品や日本の漫画史、郷土ゆかりの作家の作品を展示するコーナーを設け、
企画展も行う。
「読む」については、図書数万冊を閲覧できる空間を設置。性的・暴力的描写を含んだ図書には制限をかけ、
残虐性や性的表現が著しい作品は基本的に取り扱わない、などとしている。
「描く」は、漫画教室や紙芝居制作など市民体験型イベントで実現。漫画大賞も創設し、人材育成にも取り組む。
また、開設から3―5年は展示空間プロデュースの専門家を置き、その間に学芸員を育成。さらに、絵の指導や
図書紹介ができる人を「漫画ソムリエ」と認定し、スタッフとする。
同市は、松本委員長や畑中純さんら数多くの漫画家を輩出した土地。施設は、同市小倉北区の商業施設
「チャチャタウン小倉」の増床部分の約1500―1800平方メートルに入居予定。
松本委員長は「次世代の若者がここから(漫画家として)出てほしい」と語った。
=2007/12/13付 西日本新聞朝刊=
2007年12月12日21時00分
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/kyushu/20071212/20071212_004.shtml