【釧路】通知がないまま郵便振替口座の権利を消滅させ、貯金返還に応じないのは不法だとして、
釧路市のコミュニティーFM放送局、エフエムくしろ(小船井修一社長)は十一日までに、
ゆうちょ銀行(東京)を相手取り、貯金など約百三十六万円を返還するよう求める訴えを釧路地裁に起こした。
権利が消滅した振替口座の貯金返還を求める訴訟は、前身の日本郵政公社時代も含めて全国で初めてという。
関係者によると、エフエムくしろは一九九八年に同市内の郵便局で振替口座を開設。
郵政公社は二○○三年、この口座が三年間未利用だったため除名し、通知書類を同社に送付した。
その後も期限の三年間に払い戻しの請求がなく「権利が消滅した」としている。
これに対し、エフエムくしろ側は、送付したとされる通知書類は同社が移転したため、実際には届いていないと指摘。
「地元では有名なラジオ局で住所が分からないということはあり得ない」と主張している。
ゆうちょ銀行法務室は、通知書類の送付について「事実関係を確認中で、
中身に関しても係争中のためコメントできない」と話している。
旧郵便振替法では三年間、郵便振替口座の利用がない場合は除名となる。
公社は口座を閉鎖して除名された加入者に払出証書を発行するが、証書の有効期間(発行日から六カ月)の
経過後三年間、払い戻しの請求がないときは、権利は消滅する。
日本郵政公社の民営化後、郵便振替法は廃止され、ゆうちょ銀行には銀行法が適用されている。
北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/65345.html?_nva=23