スターが勢ぞろいしたモナコのFIA表彰式の祭典は、劇的なシーズンとなったF1世界選手権
のフィナーレとしては最高の舞台だった。1986年以来となった3つ巴のタイトル争いは最終戦
までもつれ込み、鮮やかなフィニッシュでフェラーリのキミ・ライコネンがチャンピオンに輝いた。
ライコネンは喜びを次のように語った。「ワールド・チャンピオンシップに優勝すると共に、
このトロフィーを受け取ることが出来て、とてもうれしい。いつも自分が目標にしてきたことで
もあり、特に、素晴らしい人々に恵まれ、プロとしても人間としても優れた人々の集まる
フェラーリでの1年目に達成できたことが何よりの喜びだ」
「この勝利は、すべてが失われたかに見える状況でも、決してあきらめなかったチームの
努力の結果だ。妻のジェニーを始め、僕の家族、そしてキャリアのスタートから僕のそばで
見守ってくれた皆に感謝したい」
記憶に残るシーズンを演じきったトップ3のドライバーは、皆誇らしげだった。デビューシーズン
で2位を獲得したマクラーレンのルイス・ハミルトンは、初めての表彰式参加となる。
「とても驚異的なシーズンだったよ。マクラーレン・メルセデスには素晴らしい機会を与えて
もらった。最初のグランプリで表彰台に上がるのは夢だったけど、さらに初優勝まで実現
するなんて信じられない気持ちだった。こうしてシーズンの終わりにFIA表彰式に参加する
3人のF1ドライバーの1人になれるなんて、本当に特別なことだ」
「僕の家族、そして所属するチームの代表者として、祭典に臨めることを誇りに思う。
今シーズン、彼らのためにレースができたことは大きな喜びだった。
彼らのサポートがなければ、できなかっただろう」
今年、ハミルトンのチームメイトを務めたフェルナンド・アロンソは3位だったが、
これほど僅差での決着というのはなかなかない。共に同ポイントで、優勝回数も同じ。
2人の順位を分けたのは、2位獲得回数の差だった。
「クルマは最初から最後までコンペティティブで、今年もエキサイティングなシーズンだった」
とアロンソは振り返る。「この点で、チームは素晴らしい仕事をしてくれた。もちろん、コース
外では紆余(うよ)曲折があったけど、こういうことは時に起こり得るものなんだ。
こうした試練を来シーズンの糧にしたい。シーズンを振り返り、思い出すのは、
モンツァでの初勝利と、いつも特別な存在であるモナコを含む4つの勝利だ」
コンストラクターズ・チャンピオンシップでは、フェラーリが優勝。9年間で7度目のことだ。
フェラーリのCEO、ジャン・トッドがうやうやしくトロフィーを受け取った。
「非常に稀有な1年の終わりに、2つのチャンピオンシップでの成功をこうして祝うことができる
のは、喜びであり、名誉なことだ」と彼は述べた。「日本GPの後は、まさかワールド・チャンピオン
としてここに出席できるなど、思いもよらなかった。だが、チームとドライバーの華麗なる
才能にわずかばかりの運命が味方し、われわれはフェラーリとして、9つの勝利と、
スクーデリアでの初シーズンでタイトルを獲得した偉大なるドライバー、キミ・ライコネンの
ワールド・チャンピオン獲得を、こうして祝うことができる」
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