■「ALWAYS」の白組が描く
「菌」の可愛さが「女性にも受けるのでは」と目を付け、「のだめカンタービレ」「働きマン」などの女性を
ターゲットにした作品を次々に放送しているフジテレビの木曜日深夜0時45分のアニメ枠「ノイタミナ」での
アニメ化が決まった。
制作は、劇場版「ルパン三世 カリオストロの城」などを手掛けた「テレコム・アニメーションフィルム」。
「菌」の描写は、「ALWAYS 三丁目の夕日」で昭和30年代の東京をCGで見事に再現したことで知られる制作会社「白組」が担当した。
白組の八木竜一CG監督は菌の表現で、石川さんから菌の目の位置や影の色などの細かい指示や、
東京農大の助言を受けて、菌の特徴を学んだ。
「青カビはゆっくり動くので『P・クリソゲヌム』は手足をゆっくり動かす」などと菌の動きをつけていった。
八木監督は「菌は数が多いので、その量を表現するときにCGの方が向いているんです。
もし手で書いていたら2、3年かかりますよ」と語る。
密造酒のエピソードで、酒造の大敵となる「火落ち菌」が無数に舞うシーンで、一粒一粒がさまざまな動きを見せ、
テレコムの矢野雄一郎監督も「何という作品にかかわったのかと思った。手描きじゃなくて良かった」というほどだ。
さらにオープニングも「ALWAYS…」でアカデミー賞を受賞した白組の山崎貴監督が、直保から見た「菌の見える」世界を
実写とCGで映像化。クオリティーの高さに驚く。
そして、菌のうんちくは、番組の最後に流される1分間のオマケアニメ「菌劇場」で、菌自身が登場して解説。
黒カビのトリコイデス役にお笑い芸人のムーディ勝山さん、ヨグルティ役にグラビアアイドルの仲村みうさんを
起用するなど菌のキャストもユニークだ。
全11話の制作ほぼ終え、矢野監督は「原作の密度がすごいので、4クール(52話)をやったような精神的疲労感がある」
と満足そうに語り、「11話全部見て欲しいけれど、7、8話の『春祭』は絶対に見逃さないで」と語る。
その自信を物語るように、10月11日放送の第1話の視聴率は、「のだめ」に次ぐ同枠史上2位の4・9%。
2話では5・3%を記録、同時間帯での占拠率も24・3%で、2%で合格点と言われる深夜アニメとしては好調な滑り出しとなった。
「もやしもん」の登場で、嫌われ者の「菌」たちが、必要性や意外な個性を可愛く語りながら、“繁殖”を続けている。
日常品に「除菌」の文字が付いている現代の日本を、まだまだ「かもし」ていきそうだ。
画像:
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071209-00000007-maiall-ent.view-000 ソース:
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