アワビを食い荒らす漁業の敵・ヒトデを農業に活用しようと、京都府宮津市上司の
府立海洋高校はヒトデを細かく砕いて混ぜた土でジャガイモを栽培する実験に
取り組み、3日に掘り起こして発育状況などを調べた。結果はヒトデ肥料の畑の
ジャガイモは玉太りがよく、雑草の生育を抑える作用も確認された。
かご漁などで引き揚げられるヒトデは含有する窒素分を生かし、北海道では肥料を
作っている。これを知った海洋技術コースの星川俊一郎教諭(36)が授業で試すことを
発案した。ヒトデは、生徒らが舞鶴湾に潜って14キロ、約300匹を捕獲、乾燥して砕いた。
海洋技術実習棟横にある約10平方メートルの実験用畑を2区画に分け、一つには
約5センチに砕いたヒトデを土に混ぜ、もう1区画では混ぜないで、9月に10個ずつ
種イモを植えた。
約3カ月たったこの日掘り起こすと、ヒトデ肥料の区画から93個、7.68キロを収穫。
ヒトデ肥料なしの区画は92個、6.64キロ。ヒトデ肥料の畑の方が約1キロも収穫が多く、
1個当たり10グラムほど玉太りがよかった。
また、刈り取った雑草はヒトデの畑は約62グラムに対し、入れない区画は約85グラムで、
雑草を抑える効果も確認した。
星川教諭は「面白い実験結果が得られた。詳しくデータを分析して、来春以降も栽培実験を
続けたい」と話している。
http://www.asahi.com/komimi/OSK200712040019.html