【栃木】北海道産のヒメマス移入へ 記録的不漁の中禅寺湖 近親交配を重ねたことが不漁の原因

このエントリーをはてなブックマークに追加
1水色の鯉 ◆KIHA55jUA2 @バルデスチルドレン12号(080110)φ ★
特産のヒメマスの記録的な不漁に悩む日光・中禅寺湖漁協(吉田国男組合長)は、近親交配を重ねたことが
不漁の原因とみて、北海道・支笏湖産のヒメマスの移入を決めた。
中禅寺湖外からの移入は約半世紀ぶり。卵2万粒を購入し、来年5月に稚魚を放流する。
吉田組合長は「このままでは絶滅の恐れもあり、何とかしたい」と話している。

中禅寺湖のヒメマスは1906年、十和田湖から卵40万粒を移入したのが始まり。
その後、孵化(ふか)放流事業が軌道に乗り、支笏湖、十和田湖(青森・秋田県)と並ぶ3大生産地となった。
しかし、近年は不漁が続き、昨年の漁獲量は1938キロと、4年前(1万1426キロ)の約6分の1に過ぎなかった。
毎年秋に行う採卵用の親魚の漁獲量も、昨年が過去最低の684匹、今年も1128匹にとどまり、
1万匹以上捕れた80年代に比べ激減している。

不漁の原因としては、水質悪化のほかにレイクトラウトなど大型魚による稚魚の捕食などが指摘されているが、
同漁協では、62年に支笏湖産を移入したのを最後に、防疫上の理由などから移入を行わず、“自家生産”を
続けてきたことも一因とみている。

一般的に、生物は近親交配を重ねると遺伝的多様性が低下して様々な弊害が出るほか、自然環境の変化に
対応できなくなると言われている。

中禅寺湖では過去、漁獲が落ち込むなどしたため、支笏湖や十和田湖などのほか、34〜41年には
ロシア・択捉島ウルモベツ湖からヒメマスの卵を、56年にはカナダ・フレーザー川から原種である
ベニサケの卵を移入したことがあり、移入後は漁獲が飛躍的に増大している。
こうした経験も踏まえ、同漁協は今年7月の役員会で他産地からの移入を決定した。

ただ、近親交配の不漁原因説について、中禅寺湖のヒメマスを研究している
独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所の山本祥一郎研究員は
「6〜7年前は、遺伝的多様性がほかの湖と比較して極端に低くはなかった」と説明。

移入の効果についても「支笏湖からは過去にも卵を移入しているため、再び移入しても多様性の
向上につながるかわからない」としている。
これに対し吉田組合長は「とにかく打てる手はすべて打ちたい」と話している。

ほかの主な湖では、十和田湖は93年に中禅寺湖から18万粒を移入しているが、支笏湖は61年に
十和田湖(30万粒)、中禅寺湖(10万粒)から移入して以来、移入していない。


(2007年12月4日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news001.htm
2名前をあたえないでください
外来種だな