愛知県常滑市と蒲郡市が共同運営する場外舟券販売場「ボートピア川崎」(宮城県川崎町)
で2005年以降、両替などの準備金として使われる開催基金の一部が紛失するトラブルが
相次いだことが分かった。内部での盗難が疑われており、ずさんな金銭管理の責任が
問われそうだ。
紛失は4回にわたり、計約440万円。昨年2月に200万円が紛失した事件では、盗難の
被害届を地元の警察署に出した。
常滑市によると、レース開催期間が終わった昨年2月15日、同販売場から基金を回収した
金融機関が本来9000万円あるべき基金が8800万円しかないことに気付いた。当時場長を
していた職員(59)が不足分の200万円を私費で補てん。翌16日に常滑競艇場の上司に
報告して紛失が初めて明るみに出たという。
その後の調べで、05年10月から06年1月にかけても、48万円、75万円、116万円と3回の
紛失があったことが判明。いずれもこの職員が私費で補てんしていた。紛失金は、3度とも
金庫などから発見され、事件化はされていない。
一方、この職員によると、紛失については最初から上司に報告。私費での補てんも上司の指示で
行ったという。職員は「紛失のたびに、関与の疑いが濃い担当職員の交代や増員を申し入れたが
聞き入れてもらえなかった」と指摘する。常滑市は紛失事件発覚後も、職員に対する清算をして
いない。市は「警察の捜査で事実が判明してから、対応を決めるつもりだった」と職員への返金が
遅れている理由を説明。一方、職員は「市の対応は遅すぎる。訴訟も検討している」としている。
【ボートピア川崎】 宮城県川崎町が雇用確保と商業振興の一環で誘致し、1998年に開設。
2001年度からは愛知県常滑、蒲郡両市が職員を交代で派遣しており、03年度からの3年間は
常滑市が職員を派遣していた。開設当初は1日平均約4000万円の売り上げがあったが、最近は
約1000万円にまで落ち込んでいる。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2007120290112434.html