めまいや吐き気などを起こすシックハウス症候群の防止などをうたう観葉植物や人工植物の効果が
極めて限定的であることが、兵庫県立生活科学研究所(神戸市)の調査でわかった。
同研究所は「癒やしにはなるだろうが、化学物質の除去効果はほとんどない。過度の期待は禁物」としている。
同研究所によると、清潔・健康志向の高まりで、近年、「有害化学物質を除去できる」などと表示した
観葉植物やプラスチック製の人工植物が相次いで販売されている。
鉢部分に空気清浄機が組み込まれた商品も出回っている。
このため、同研究所は、これらの商品に効果があるのか調査した。
観葉植物、人工植物、空気清浄機と組み合わせた商品をそれぞれ、容積約6立方メートルの測定器に入れ、
同症候群の原因とされるホルムアルデヒド、トルエンなどの濃度変化を調べた。
最も効果があったのは、空気清浄機と組み合わせた商品だったが、ホルムアルデヒドの
減少量は1時間に1・68立方メートルの換気をしたのと同程度、
トルエンも0・794立方メートルの換気をした程度だった。
窓を閉め切った6畳間(24立方メートル)でも、1時間に12立方メートルは換気されるといい、
同症候群の改善に、植物はほとんど効果のないことが分かった。
(2007年12月2日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20071202p101.htm