全国で初めて「禁煙タクシー」が全面導入された大分県で、喫煙者でも半数近くが導入を歓迎し、4人に1人は導入を機に禁煙を考えた−。
こんな傾向が、日本禁煙科学会などが実施した乗客の意識調査で明らかになった。同会は「喫煙者の抵抗感は予想以上に小さい」として、
さらなる導入拡大を提唱している。
1日、奈良市内で開かれた同会の学術総会で報告された。
大分県では今年6月、禁煙タクシーを県レベルで全面導入。調査は、同県タクシー協会の協力で5月下旬、すでに実施していた
同県などで、乗務員が乗客に記入を依頼するアンケート方式で実施した。回答した1890人のうち、禁煙タクシー全面導入を
知っていた1363人(喫煙者569人、非喫煙者794人)を分析対象とした。
その結果、非喫煙者の95・1%(755人)に加え、喫煙者の43・2%(246人)も全面導入を「良かった」と回答。
非喫煙者の96・6%(767人)、喫煙者の45・7%(260人)が「今後も続けてほしい」と答えた。
また、喫煙者のうち24・8%(141人)が「タクシー禁煙を機に自分も禁煙しようと思った」と回答した。
同会によると、大分をはじめ、千葉や愛知など全国9県で、タクシーの禁煙化が全県的に実施されているが、
近畿や中国・四国地方では動きが鈍いという。
同会副理事長の高橋裕子・奈良女子大教授(予防医学)は「禁煙タクシーは喫煙者の抵抗感が強いとされているが、
予想以上に満足度が高いことが裏付けられた。禁煙を考えるきっかけにもなるという興味深いデータで、今回の結果が
禁煙タクシー導入の後押しになるのでは」と話している。
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