来年三月末で九十一年の歴史に幕を下ろす「三木鉄道」(三木-厄神間、六・六キロ)。
立体模型、せんべい、肥後守など関連グッズが次々に誕生し、廃線を前に利用者が買い求めている。
作り手は個人、行政、協会とさまざまだが、共通の思いが込められている。「長年ありがとう、みんなの記憶に
とどめてもらうからね」-。(長尾亮太)
一九一七(大正六)年に建てられた木造平屋の三木駅。
改札口近くのショーケースに、色鮮やかな車両の立体模型が収められている。
一枚のはがきから組み立てるアイデア商品。台紙は縦一四・八センチ、横一〇・二センチ。
片方の面に切り取り線やのりしろがあり、組み立てると全長一〇センチ、高さ三・五センチのミニチュアに仕上がる。
事業廃止届が近畿運輸局に出された今年七月、三木市内の飲食店員井上美紀さんが「公共交通が消えていいのか。
もう一度、人々の目を鉄道に向かせたい」と考案した。
「金物のまち」らしい一品が、市観光協会が作った折りたたみ式ナイフ「肥後守」の三木鉄道版。
カバーの表面に、三木-厄神(加古川市)間の全九駅の名前と三木鉄道のロゴを刻印した。
市も、玩具メーカー「タカラトミー」(東京)と提携し、三木鉄道の車両を模したミニカー「チョロQ」作りを計画している。
同鉄道自身も記念グッズを発売。その一つが「三木鉄道せんべい」で、
小麦粉に特産の酒米・山田錦の粉末や黒豆を混ぜて焼き上げた。表面に同鉄道のロゴを焼き印として入れた。
包装紙には「さよなら三木鉄道」と赤字で記し、一九一六年に播州鉄道として誕生してから播丹鉄道や国鉄などを
経た年表を掲載。車両の写真もあしらった。
六月から一袋五百円で販売し、これまで千六百袋を売り上げた。
もう一つは、意外なきっかけで生まれた。車両の側面に取り付けて行き先を示す「三木⇔厄神」と記されたボード。
廃線が決まってから、なくなるケースが相次いだため「それなら売ろう」と発売した。鉄道ファンに人気という。
一方、廃線が近づくにつれ、客足が伸びている。月間利用者数は今年七月まで前年を下回っていたが、
八月が約一万四千四百人、九月が約一万二千三百人と、前年をそれぞれ約千二百人、約五百五十人上回った。
同鉄道の斉藤浩鉄道部長は「廃線になっても記念グッズで、三木鉄道を思い出してほしい」と話している。
神戸新聞
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0000749307.shtml 関連スレ dat落ち
【社会】放出車両、引く手あまた 来春廃止の兵庫・三木鉄道
http://news22.2ch.net/test/read.cgi/wildplus/1195547637/