防衛省は23日、航空自衛隊築城基地(福岡県築上町)に隣接する同町の農地約4ヘクタールを取得し、
基地を拡張する計画を明らかにした。昨年5月の在日米軍再編合意に伴って米軍の訓練拠点が移転する
6つの空自基地で、拡張計画が持ち上がったのは築城基地が初めて。防衛省九州防衛局(福岡市)が同日、
町役場で地元自治会などに説明し理解を求めたが、既に本年度の国の予算に経費が計上されていることが
分かり、住民側は「地元に何も知らせずに進めている」と強く反発。計画の白紙撤回を求めた。
九州防衛局によると、基地東側に隣接する同町今津地区の農地4万1567平方メートルを取得する計画。
滑走路(延長2400メートル)に平行して走る誘導路(同1500メートル)が短い上に「へ」の字形に曲がって
いるため「誘導路を延長して直線にする」必要や、航空機燃料タンクの貯蔵量が少ないため、「地下タンク2基の
増設が急務」と説明した。拡張費などの「予算額は明らかにできない」(同局)としている。
この日の説明会は急きょ開かれ、同防衛局から8人、自治会や住民組織の八津田基地対策委員会メンバーら
8人が出席。防衛局は「戦闘機が配備された空自7基地の中で、築城基地が一番狭い。国防の意味からも理解
してほしい」と説明。計画は「米軍再編とは無関係」としているが、誘導路延長に伴って基地機能強化が確実視
されるだけに、住民側からは不信と不安の声が続いた。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/20071124/20071124_001.shtml