日本赤十字社(本社・東京都港区)は9日、管理する骨髄バンク登録者の検索用データベースの不具合により、
昨年11月末から約11か月間、登録していた3688人の骨髄提供者(ドナー)が候補者リストから漏れていたことを明らかにした。
この期間に登録していた待機患者のうち90人は、白血球の型が、これらのドナーに適合していたとみられ、移植の
機会を逃してしまった可能性がある。早急な移植を望む患者に対し、ドナーの善意が日赤の不手際でふいになった形で、
日赤では「深くおわびを申し上げる」と謝罪している。
骨髄バンクに登録したドナーは、今年10月末現在で約29万人いる。このうち、病気や妊娠、海外渡航などの事情が
ある人は、本人の希望する期間、登録を保留することができ、本来は期間終了後、保留が自動的に解除される仕組みになっていた。
バンクには、ドナー個人のデータベースと、患者とドナーの白血球の型が適合するかどうかを検索するためのデータベースの
二つがある。
しかし、日赤が先月16日、システムのチェックを業者に依頼したところ、双方の登録データ数に違いがあることが判明。
調査の結果、検索用のデータでは、昨年11月末以降から先月22日まで、本来は保留が解除されるべきドナー1万688人のうち、
3688人が保留のまま放置されていることが分かった。
白血球の型が適合していたとみられる待機患者90人のうち、68人は死亡するなどして患者登録を抹消していた。
また22人は、登録し続けているが、いまだに骨髄移植手術はできず、うち3人は、さい帯血移植など他の移植手術に変更していた。
日赤では一昨年8月に現在のシステムを導入後、登録者数の増加で、あらかじめ設定していた処理可能量(1日140〜150件)を
超えたことで、不具合が生じたとしている。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071109i113.htm?from=main1