訪米中のサルコジ仏大統領は7日、米議会で演説し、軍事機構から脱退していた北大西洋条約機構(NATO)への
完全復帰について「NATO刷新に全面的にかかわりながら、NATOとの関係を進展させたい」と述べた。
米国が中心的役割を果たすNATOへの完全復帰方針を示し、サルコジ氏の親米路線をいっそう明確にしたものだ。
仏は66年、米国主導に反発するドゴール大統領(当時)がNATOの統合軍事機構から脱退、政治機構のみの
参加となった。冷戦後は軍事機構の中の軍事委員会などに部分復帰し、バルカン紛争ではNATO軍に加わったが、
最高意思決定機関の「核計画グループ」や「防衛計画委員会」には不参加のままだった。
サルコジ氏は演説で「神学論争でなく、プラグマティックな対応をする時だ」と述べ、仏の独自性を重視する
ドゴール主義に固執しない姿勢を示した。
ただ、仏は完全復帰の条件として「仏が最高意思決定機関のポストを得る」などを条件とする方針で、米国と詰めた議論が必要になる。
議会での演説はたびたび歓迎の拍手で中断され、「イランが核兵器を持つのは容認できない」と発言した場
面では起立しての拍手喝采となった。ただ、シラク前政権が反対したイラク戦争には一切触れないまま。一方、地球温暖化対策では米国の努力を求めた。
http://www.asahi.com/international/update/1108/TKY200711080117.html