【社会】「赤福」30年前から冷凍・再包装

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 創業300年の和菓子の老舗「赤福」(本社・三重県伊勢市)による製造日の
偽装表示問題で、農林水産省は12日、同社に対し、日本農林規格(JAS)法に
基づき、不適正表示の改善や再発防止策の提出などを指示した。

 同社は、製造日に出荷しなかった商品を冷凍保存し、解凍して包装し直した日を
製造日として出荷していた。不適正表示で販売された商品は2004年9月からの
3年間で約605万箱に上り、総出荷量の18%にあたるという。

 農水省によると、同社は看板商品の「赤福餅(もち)」について、包装済みの
商品を直接、本社工場内の冷凍庫に運んだり、配送車で東海地方の販売店舗を
回った後に残った商品を持ち帰ったりして冷凍保存。その後、「まき直し」と称して
注文数などに応じて解凍し、再包装した日を製造年月日と表示する行為を繰り
返していた。

 赤福餅の消費期限は、夏場が製造日を含め2日、冬場が3日となっている。
同社はホームページで「製造したその日限りでの販売としています」などと紹介
していた。しかし、実際には最大で2週間冷凍した後に解凍し、再包装した
ケースもあった。農水省の調査に対し同社は、「まき直し」と呼ばれる行為は
1973年から行っていたと説明しているという。

 配送車に積んだ商品を工場内に持ち帰り、冷凍保存する行為は、今年1月下旬に
やめていたという。農水省は、大手菓子メーカー「不二家」の期限切れ原料使用が
問題化した時期と一致しているため、赤福側が悪質性を認識していた可能性が
あるとみて調べている。

 また、JAS法は原材料名について使用した重量順に表示するよう定めており、
本来は「砂糖、小豆、もち米」としなければならないのに、少なくとも2000年3月
以降、「小豆、もち米、砂糖」と表示し続けていた。

 若林農相は12日の閣議後記者会見で、「信用度の高い老舗のメーカーでこの
ようなことがあったのは、大変重大なことだと受け止めている」と述べた。

 赤福は読売新聞の取材に対し、「農水省の判断の内容をみて、今後の対応を
検討し、会見などできちんと説明をしていきたい」としている。

読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071012it06.htm