栃木市の女性が所有している浮世絵が、江戸時代中期から後期にかけて活躍した
浮世絵師・喜多川歌麿の肉筆画であることが、四日までに分かった。千葉市美術館の
浅野秀剛学芸課長が鑑定し、筆法や署名などから真作と断定した。歌麿の肉筆画は
現在三十点ほどしか残っておらず、学術的に大変貴重な発見といえる。
見つかったのは喜多川歌麿の「女達磨(だるま)図」。赤い達磨のふん装をした遊女の
上半身が描かれている。寛政二│四(一七九〇−九二)年にかけて、描かれたとみられる。
歌麿に関する資料にその存在が記されていたが、図柄などは分からず幻の存在と
されていた。
肉筆画は約三十年前、この女性の夫が廃品回収業者から購入。きり箱に入れて
保存していたという。
浅野課長は栃木市内の郷土史家の男性を通じて画の存在を知り、女性宅で今年
八−九月に画と対面、鑑定に当たった。浅野課長は「筆運びや劣化具合、署名や
朱印などの鑑定の結果、間違いないと判断した」としている。肉筆画は当面、同市の
「とちぎ蔵の街美術館」で保管する予定という。
歌麿は、栃木市内の豪商と交流があり、市内にとう留したとされている。市内には
豪商が歌麿に依頼した肉筆画などが存在するといわれていた。
ソース 下野新聞
http://www.shimotsuke.co.jp/hensyu/news/php/kako3.php?d=0&n=25