★「名古屋コーチン」2割偽物、独立行政法人がDNA検査
愛知県特産の地鶏「名古屋コーチン」と表示して売られている鶏肉やその加工品の2割に、
名古屋コーチン以外の肉が含まれていることが、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機
構が行った市場調査でわかった。
食肉の高級ブランドに偽物が流通している実態を示すもので、適正な品質表示を定めた日本
農林規格(JAS)法に違反する可能性もある。この結果は、9月29日の日本家禽(かきん
)学会で発表された。
同機構の畜産草地研究所は、肉片を少量採取するだけで名古屋コーチンかどうかを判別でき
る簡易DNA検査法をバイオ・リジェネレーションズ社と開発。名古屋コーチン普及協会がお
墨付きを与える「純系名古屋コーチン」のシールが張られたり、原材料名に「名古屋コーチン
」だけが表示された生肉と加工品計90点を、愛知県や首都圏の有名百貨店、小売店、飲食店
やインターネットなどで入手して分析した。
その結果、名古屋コーチン以外の鶏肉が検出されたのは全体の21%。生肉は50点中の6
点(12%)、焼き鳥やミンチなどの加工品では40点中13点(32%)で、加工品に偽物
が含まれる割合が高かった。
名古屋コーチンは、比内地鶏、薩摩地鶏と並び三大地鶏といわれる。「純系」のシールは、
愛知県畜産総合センター種鶏場から供給された名古屋コーチンだけを使って、普及協会の会員
業者が生産した商品であることを示す登録商標だ。しかし、「想定量より多くの商品が流通し
ているようだ」と普及協会も認めている。
調査を行った畜産草研の高橋秀彰主任研究員は、「この技術を応用すれば、流通のどの段階
で偽物が混入したかの追跡も可能」と説明している。
讀賣新聞
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20071001i201.htm