★米軍機墜落、9人死傷事故から30年で追悼セレモニー/横浜
横浜市緑区(現青葉区)の住宅地に米軍機が墜落し、母子3人をはじめ、
計9人が死傷した事故は27日、発生から30年を迎えた。
緑区内で追悼セレモニーが開かれたほか、亡くなった母子3人をモデルにした
像が立つ「港の見える丘公園」(同市中区)にも多くの人が花を手向けに訪れた。
記憶の風化が進む中、28、29日には事故を題材にしたミュージカルが
開催されるなど、継承の動きも広がっている。
緑区寺山町の緑公会堂ロビーで開かれたセレモニー(緑区民ミュージカル
実行委員会主催)には、ミュージカル出演者ら約50人が出席。
事故発生の時刻に合わせ黙とうをささげた。
闘病生活の中、事故で娘と孫2人を失った土志田勇さん(82)がメッセージを寄せ、
「忘れることのない悲しみの中で30年を過ごしてきた」と苦しい胸の内を吐露。
一方で、「多くの人たちの励ましの中で、悲しみも薄紙をはぐように和らいでいる」
と心境の変化を報告した。
会場には、事故の惨状や、生前の母子3人を写したパネルなど約200点の資料を展示。
ミュージカルに出演する松木祥憲さん(24)=緑区長津田町=は
「30年も事故を伝え続けてきた人たちの気持ちを、若い自分たちが引き継いでいきたい」
と決意表明した。
港の見える丘公園では、母子3人をモデルにした「愛の母子像」に花を手向ける
人の姿が見られた。
手作りの千羽鶴を供えに訪れた海老名市の主婦神崎峯子さん(64)は
「事故当時、亡くなった幼い兄弟と同い年の子どもがいて、とても人ごとには思えない」
と祈りを込めた。
◆横浜市緑区の米軍機墜落事故
1977年9月?日午後1時すぎ、在日米海軍厚木基地を飛び立ったファントム偵察機が
エンジントラブルで、横浜市緑区(現青葉区)荏田町の住宅地に墜落、炎上。死傷者9人の
大事故となった。土志田裕一郎ちゃん=当時(3)=と康弘ちゃん=当時(1)=の
幼児が事故後間もなく亡くなり、重傷を負った母和枝さんも事故から4年4カ月後に
31歳で亡くなった。偵察機の乗員2人は脱出して無事だった。
神奈川新聞
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiisep0709465/