ほほ笑んだり顔をしかめたり、怒ったり驚いたり――「ゼーノ」は表情豊かな少年。
ただし、本物の人間ではない。当地のベンチャー企業が
開発に取り組んでいる「社会的ロボット」の試作品だ。
先週ロサンゼルスでの技術展にお目見えしたゼーノは、
身長約43センチ、体重約2・7キロの小柄なロボット。
1950‐60年代の日本の漫画キャラクター、鉄腕アトムに似せて作られた。
まだしっかり歩いたり話したりすることはできないが、その大きな目は人物を
追って動き、まばたきもする。
顔の肌は特許を取得した新素材で作られ、外部のパソコンから無線で
送られる指令に合わせて、自由自在に表情を変える。
ハンソン・ロボティックス社の技術者チームが、5年前から開発を進めてきた。
同社のトップ、デービッド・ハンソン氏(37)は、このほかにも科学者アインシュタインに
そっくりなロボット頭部などを作製して話題を呼び、多くの技術賞を受賞している。
ハンソン氏が目指すのは、人間と会話をし、感情を伝えることのできるロボットだ。
「ゼーノはいずれ、相手の顔や名前を認識するようになり、人間同士のような関係を
築くことも可能になる」と、同氏は目を細める。
1歳半の実の息子にも、ゼーノと同じ名を付けたほどの熱の入れようだ。
ハンソン氏にとって、ロボットはひとつの「芸術表現」だという。ロボット工学の世界では、
外見があまりに人間そっくりだと人々は抵抗を示す、というのが定説だが、同氏は
「絵画や彫刻がリアル過ぎて気味が悪い、と思う人はいないでしょう。リアルなロボットも
魅力的になり得るはず」と、力を込める。
同氏によれば、ゼーノは今後3年以内に、200‐300ドルで発売される見通しだ。
アトムに似せて作られた「ゼーノ」画像:
http://www.cnn.co.jp/business/images/CNN200709230001.jpg ソース(CNN.co.jp):
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200709230002.html