■4年超…被害女性「精神的にも衝撃」
大阪府松原市の看板製造会社従業員の男(37)が、料金滞納で自宅の送電を止められ、
2軒隣に住む身体障害者の女性(65)宅から無断で電気を引き込んでいたことが16日、
松原署の調べで分かった。女性宅の屋外コンセントに延長コードを接続し、少なくとも約4年間
電気を盗んでいた疑いがあり、被害額は数万円に上るとみられる。17日は「敬老の日」。
障害を持ったお年寄りを狙うというあまりに恥ずかしい犯行。女性は「犯人が隣人と分かり
精神的にもショック」と話しており、同署は近く窃盗容疑で近く男を立件する方針。
女性は49歳のとき、脳出血で倒れて以来、左半身が不自由。障害等級は2級と認定され、
月額約15万円の生活保護と親族から約5万円の仕送りを受けながら1人で暮らしている。
調べでは、男は約5年前、この女性宅と同じ棟続き長屋の2軒隣に入居。電気料金を滞納し、
約1年後には電気の供給がストップされ、電気メーターも外された。ところが、女性宅の裏に
あるコンセントに約5メートルの延長コードを接続し、送電停止後も自室に引き込んでエアコン
やテレビ、蛍光灯をつけるなど以前と変わらない暮らしをしていた。
女性宅のコンセントは屋外にある給湯器をつなぐために設置され、男は3個ある差し込み口の
うち1個を無断で使用。出勤前には延長コードを自宅裏に隠し、夕方仕事から戻るとコードを
差し込んで電気を盗んでいたという。
女性宅は男の入居直後から電気料金が大幅に上がり、ブレーカーが落ちて停電する被害が頻発。
平成15年に女性が体調を崩し約1カ月間入院した際も、その月の使用量として約6500円を
請求されるなどしたため、電力会社や家主などに相談して室内や家の周囲を調べたが、原因は
分からなかった。
ところが今月6日夜、送電停止中の男の自宅で蛍光灯がついているのを家主が目撃。男のエアコン
の室外機も動いていたため、不審に思って調べたところ、延長コードを使って女性宅から自室に
電気を引き込んでいるのを確認した。
家主や女性の通報で駆け付けた松原署員が同日午後10時すぎ、男を任意同行し事情聴取。
男は盗電の事実を認めた上で「電気料金が払えず、送電がストップして困っていた。半年ぐらい
前から電気を盗んだ」などと話し、容疑を認めたという。
男の供述が女性が申告した被害と食い違っているため、同署は過去6年分の電気の使用量などを
基に被害金額の算定を進めた上で、男を再聴取し、容疑の裏付けを急いでいる。
[産経新聞](2007/09/17 02:06)
http://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/070917/jkn070917004.htm