モスクワ郊外の公園などで49人を殺害したとして起訴された、
アレクサンドル・ピチュシキン被告(33)の公判が14日、モスクワの裁判所で開かれた。
検察は、ピチュシキン被告が、かわいがっていた犬の弔いをしようと言って犠牲者を
飲酒に誘い、次々と殺害に及んでいたと主張した。
検察の陳述によると、ピチュシキン被告は1992年、学校の友人を殺害し、
下水溝に投げ入れた。2001年5月からは、主に男性を狙って、愛犬が
死んだと作り話をし、弔いとして一緒にウオツカを飲もうなどと言って公園に
誘い込み、殺人を重ねた。
40人ぐらいまでは、酩酊状態にしたうえで下水溝に落とし入れて殺害した。
その後は、首を絞めたり、「手作りの装置で」頭部を撃つなどして命を奪った。
05年からは、ハンマーで頭部を殴打し、砕けた頭蓋骨の間にウオツカの瓶を
押し込むなど、残忍な手法で犯行に及ぶようになり、遺体を隠すこともしなくなった。
ピチュシキン被告の弁護士によると、被告は49人全員の殺害を認めている。
しかしこの日の法廷で被告は、「個人的な問題が解決されていないので、
今日は『はい』とも『いいえ』とも言わない」と述べ、罪状認否には応じなかった。
弁護士は、被告が「より快適な」刑務所への移送を求めているとしている。
ピチュシキン被告は、ロシアでは珍しい陪審による裁判を要望しており、
13日には陪審員12人と予備の6人が選出された。有罪とされた場合、終身刑となる。
地元テレビ局に対し、ピチュシキン被告は「私にとって殺人のない人生は、
あなたにとって食べ物がない人生と同じ」「被害者たちの父親のような気分だ。
私が被害者たちを別世界へと導いたのだから」などと話している。精神分析の結果、
被告は犯行時には判断能力があったとされている。
ピチュシキン被告は当局の調べに対し、62人を殺したと自供。チェス盤のマス目を
すべて埋めるため、64人の殺害を目標にしていたと話している。
ピチュシキン被告画像:
http://www.cnn.co.jp/world/images/CNN200709150006.jpg ソース(CNN.co.jp AP通信):
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200709150005.html