イランは同性愛者がいられる場所ではない。そして、外国人が、性的マイノリティの権利を
求めて運動をするためのベストの場所でもない。
最も控えめな数字を見ても、1979年のイラン革命以降、約4,000人の同性愛者が「同性愛の
罪」で処刑されている。
そして現政権--人びとが当局の信じる道徳を押しつけられる地獄--の下では、きっとなにも
よくならない。
ペガー・エマンバクシュさんは、2005年にイランから逃げたとき、すでにこのことを知って
いた。彼女の場合、事態は、自分の力だけではどうしようもできないところまできていた
けれど。
ペガーさんのパートナーは逮捕され、拷問を受け、そして報道が本当なら、投石による
死刑を命じられた。
ペガーさんがイランを出てすぐ、イラン当局は彼女の父親を拘束した。そして、非人道的な
取り調べを受けた。
その父親はその後解放されてはいるものの、もしペガーさんがイランに戻らなければならない
とすれば、きっと彼女は死刑になる。
こう思う人もいるかも知れない。同性愛者の権利に関する(立法などの)記録を見て、自分を
誇りに思っているイギリス政府、つまり労働党政権は、きっとペガーさんに同情的だろうと。
ペガーさんがイギリスに到着してすぐ、政府に難民申請をしたのは自然なことだ。驚いたのは、
当局が彼女の申請を認めなかったこと。
多くのLGBT権利団体の支持を得て、ペガーさんは再申請。しかし、今のところ認められていない。
それどころか、彼女は先月シェフィールドで逮捕され、ヤールズウッドの収容施設へ入れられた。
それ以来、彼女の運命は、イギリス移民局の手の中にあって不確かなまま。楽観的、悲観的な
報道の両方があるが、後者が多い。
感嘆すべき動きは、同性愛者の権利に関する記録より、そのカトリック信仰で知られるイタリアが、
彼女の移民としての受け入れを表明したこと。
恥ずべきことに、イギリス政府には、欧州議会のハンス=ゲルト・ペッテリンク議長から、ゴードン・
ブラウン首相宛で、ペガーさんのケースを再検討し、彼女をイランに強制送還しないよう書簡まで
届いてしまった。
書簡への反応が見られないことから、きっとイギリス政府は、ペッテリンク議長の言葉に対して耳を
塞いでいるんだろうと思う。
(記事提供Pinknews.co.uk、翻訳 山下梓)
ソース ゲイジャパンニュース
http://gayjapannews.com/news2007/news214.htm