宮城県は14日、歳入確保を目指し、仙台市青葉区の「宮城県民会館」のネーミングライツ(命名権)を
売却する方針を固めた。10月中旬に売却企業を公募し、12月に新名称を決定する。契約期間は
2008年4月から5年間。命名権の売買契約が成立すれば、東北の公共文化施設では初のケースとなる。
契約料は1年当たり5000万円程度を想定している。宮城県に拠点がない企業も応募できる。
新名称に「宮城」を含めることは条件としない方針。会館の正面看板の付け替えは企業負担とするが、
年に2日間、大ホールを無料で使用できる特典を付ける。
県民会館は1964年に開館した。大ホールは客席が3階構造で収容人員は1590人と東北最大級。
これまで劇団四季が「オペラ座の怪人」(2001年)「キャッツ」(03年)のロングラン公演を行ったほか、
各種演奏会や演劇公演に利用されてきた。06年度の利用率は71%。
建物内には13の会議室もある。06年度、指定管理者制度を導入し、宮城県文化振興財団が管理している。
来年2月には、耐震補強工事を行う予定。
公共文化施設の命名権売却は、広島市の「ALSOKホール」(広島県立文化芸術ホール)や、
鹿児島市の「宝山ホール」(鹿児島県文化センター)など数例ある。東北では06年、青森市民ホール
(青森市)の命名権が売りに出されたが応募がなかった。
宮城県は、県営宮城球場の命名権を人材派遣会社のフルキャスト(東京)に売却したが、
同社の事業停止命令により契約を解除する方針。県総合体育館(利府町)の命名権も総合不動産業の
ホットハウス(仙台市)に売却している。
http://www.kahoku.co.jp/news/2007/09/20070915t12023.htm