東南アジア諸国連合(ASEAN)と日米中、北朝鮮など計27カ国・機構の
外相が地域の安全保障問題を協議するASEAN地域フォーラム(ARF)が
2日、マニラで開幕した。
北朝鮮の核問題などに関する議長声明を採択する予定だが、1日夜には北朝鮮
外務省の副局長が、米国が求める全核施設の無能力化措置の年内完了について
「早すぎるのでは」と語り、米側を牽制(けんせい)した。
北朝鮮の朴宜春(パク・ウィチュン)外相は1日夜、米国のネグロポンテ国務
副長官と約10分間、マニラで会談した。
両国は6者協議の合意を積極的に履行していくことで一致した。だが会議後、
会談に同席した北朝鮮外務省のチョン・ソンイル国際機構局副局長は記者団に
対し、「無能力化の問題は1カ月、2カ月で、という話ではない。年内に
やらなければいけないというのは、ちょっと早すぎるのではないか」と
否定的な考えを示した。
7月に北京であった6者協議首席代表会合は、無能力化措置や全核計画の完全
申告を北朝鮮に求めるなどした「次の段階の措置」の履行期限を設定できなかった。
ARFには今年からスリランカが新たに加わり、北朝鮮の核問題のほか、
アフガニスタンの韓国人人質事件、テロ対策、災害救援などについて
意見交換、午後に議長声明を出して閉幕する。
昨年の会合は、北朝鮮のミサイル発射実験直後の開催となったため、議長国
マレーシアなど10カ国が国連安保理決議の履行を求め、北朝鮮が激しく
反発した。
だが今回は、6者協議の再開や核施設の稼働停止などを歓迎し、北朝鮮の対応を
見守る形で、議長声明がまとめられる見通しだ。
ニュースソース
http://www.asahi.com/international/update/0802/TKY200708020043.html