http://www.zakzak.co.jp/spo/2007_07/s2007071313.html 所沢の気功師・涌井、両リーグトップの12勝目
気の迷いはありません!? 12日のロッテ戦。湿気と暑さがこもったドームは、不快指数120%。それで
も12勝目をあげた西武・涌井が安(あん)堵(ど)のため息をついた。
「1回だけ暑いと思った。後は大丈夫でした。調子? 前回よりは悪かったけど…」
8回途中に降板するまでロッテ打線に11安打を浴び2失点。直球のMAXは143キロとスピードが上がら
ない。それでも両リーグトップの12勝をあげるのだから、その粘りは特筆モノだ。
「ピンチになったら球を低めに集めるように投げています。それをバッターが振ってくれているから…」
この粘り、その原動力は“気”に。実は涌井、西武ナインの中でも気のマスター。『所沢の気功師』でもあるのだ。
およそ5年前から西武ナインには、メンタルトレーニングが施されている。そのメニューには中国、気功もあるの
だが、涌井はチームでも屈指の気の使い手、『マスター』。
「基本的におヘソの周辺の丹田に意識を集中して気を練るように教えているけど、涌井は昨年の後半からで
きるようになった。今年はチーム一」と、球団関係者も敬意を表すほどだ。
信じる、信じないは別として、この気功、ピッチングには絶大な効果を発揮。涌井の場合、苦手な左打者を迎え
る際に力むことで体が開き、球の出所が打者に丸見えになり痛打された。が、気を練って体中を循環させること
で力みがなくなる。その結果、球持ち長くなり、制球も球のキレも良くなるというわけ。今季の涌井の快投は、こ
れに起因する部分が大きいというのだ。
「昨年後半にバテたけど、どうやってバテないようにするかですね」。涌井はそう、気を引き締めるが、気の迷
いさえなければ、大先輩・松坂も成し得なかった20勝も夢ではないはずだ。