成田空港「一坪共有地」訴訟:賠償260万円引き換えに持ち分を引き渡し命令 /千葉
◇高裁判決
成田国際空港会社(旧新東京国際空港公団)が、同空港建設反対派が空港予定地内に所有している「一坪共有地」の共有持ち分の引き渡し請求を求めた訴訟の控訴審判決公判が11日、東京高裁であった。
小林克已裁判長は1審の千葉地裁判決に続き、同社の主張を認め、共有している反対派に金銭賠償約260万円と引き換えに持ち分を引き渡すよう命じた。
判決によると、旧公団が隣接地を買い進めた結果、共有地は成田国際空港会社の土地に囲まれており、同社が本件土地の持ち分の大部分を所有している。
現物分割したとしても反対派は利用不可能とし、「成田空港の航空旅客数が飛躍的に増加し、空港の整備は喫緊の課題」とした1審判決を踏襲した。
同社が持ち分の引き渡しを求めている共有地は、暫定平行滑走路わきの原野などの6件計約934平方メートル。
いずれも9割以上を同社が所有している。
判決を受けて反対派の「三里塚・芝山連合空港反対同盟(北原派)」は「反動判決を満身の怒りを込めて弾劾する。ただちに上告する」との声明を発表。
一方、同社の森中小三郎社長は「当社の主張を認めていただいた判決の意義は大きい」とコメントした。
【柳澤一男】
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■ことば
◇一坪共有地
空港建設に反対する多数の農民らが、用地買収を困難にさせる目的で共有登記し、持ち合っている土地。
新東京国際空港(現成田国際空港)反対運動の当初から建設を実力行使で阻止するための手段として活用された。
毎日新聞 2007年7月12日
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/chiba/news/20070712ddlk12040062000c.html