光化学スモッグ多発の恐れ、首都圏に高精度情報
光化学スモッグ注意報の発令が増加傾向にあるため、気象庁は11日から、光化学
スモッグの発生しやすい天気を予報する「スモッグ気象情報」を、東京、千葉、埼玉、
神奈川の4都県でより細かく提供する。
各都県を2〜3地域に分け、1時間ごとの予測も行う。
環境省によると、今年は5月末までに、26都府県で延べ44日の注意報が発令された。
この10年間では2番目に多かった2000年の28日を大きく上回っている。年間を通じても、
1998年ごろから、注意報発令日が毎年延べ100日を超えるなど増加傾向にある。
このため、気象庁でも「光化学スモッグが発生しやすい天気を、より正確に予測する
必要性がある」と準備を進めてきた。スーパーコンピューターの導入など技術的な環境も
整い、昨年、新方式を実験したところ、的中率が約20%向上するなど効果が見られた。
提供対象となる4都県では、昨年の光化学スモッグ発生が全国の3分の1を占める
計58回に及んだ。今年もすでに、千葉県で1日、ほかの3都県でも2日、注意報が
発令されている。
従来は、光化学スモッグが発生する可能性がある都道府県のみを発表するだけ
だったが、新方式では、各都県を2〜3地域に分けたうえで、午後1時から6時まで、
1時間ごとに発生時間帯を予想し、気象庁のホームページで公表する。
光化学スモッグ注意報は、大気汚染防止法に基づき、各自治体が出すことになって
おり、気象庁は、判断材料にする気象情報を自治体向けに提供している。
気象庁は「より正確できめ細かくなった情報をもとに、各自治体は、注意報発令などに
役立ててほしい。4都県以外の地域での導入については、来年以降検討したい」と
話している。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070609i405.htm?from=main4