牛肉輸出、米国を「準安全国」に認定…国際獣疫事務局
【パリ=中村宏之、ワシントン=矢田俊彦】国際的な家畜の安全基準を定める国際獣疫事務局(OIE)
は22日夕(日本時間22日夜)、パリ市内で総会を開き、アメリカを月齢制限なしで牛肉を輸出できる
「準安全国」に認定した。
BSE(牛海綿状脳症)発生のリスクを減らす米国内の措置を評価した。総会最終日の25日に最終
決定する。
日本は米国産牛肉の輸入条件を「月齢20か月以下で危険部位の除去も必要」と国際的にも厳しく
設定している。OIEのルールに強制力はないが、マイク・ジョハンズ米農務長官はOIEの認定後「米国
の管理法が適切で、すべての年齢の米国産牛肉が安心して貿易できることが確認された。我々はこの
国際基準を使って貿易相手国に市場の全面開放を促していく」との声明を発表した。今後、アメリカが
輸入条件の撤廃を含む大幅な緩和を求めて対日圧力を強めるのは必至だ。
OIEは今年から、「安全国」「準安全国」「不明」の3段階で各国の安全性を認定する新基準を導入
した。今回の総会には12か国が申請し、11か国が認定された。日本は申請していない。
「準安全国」は、原則として月齢制限なし(月齢30か月以上は危険部位を除去)で牛肉を輸出でき、
アメリカ、カナダなど6か国が認定された。一切制限なく輸出できる「安全国」には豪州、
ニュージーランドなど5か国が認定され、厳しい規制が必要な「不明」の認定国はゼロだった。
日本は、現在、実施中の米食肉処理施設の査察を今月下旬に終え、6月上旬にも米国の対日輸出
態勢の検証作業を終える。農水省はこの検証結果を踏まえて対米交渉に臨む方針だ。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070522it16.htm