19日午前9時半ごろ、新潟県村上市泉町の建設会社と民家の玄関風除室のガラス戸に、
クマが体当たりしガラスが割れる被害が出た。けが人はなかった。
被害に遭った現場は、市街北部の三面川沿いにある住宅地。
川向かいの山間部では、これまでもクマの目撃情報はあったが、
民家に近づいてガラス戸を割られたケースは初めてという。同市では広報車などで注意を呼びかけている。
村上署や同市などによると、クマは体長1メートルほど。
建設会社では風除室の厚さ約5ミリの正面ガラス戸(約90センチ×90センチ)と、
側面ガラス(約180センチ×90センチ)の2枚が割られた。
約70メートル離れた民家でも風除室のガラス戸1枚が割られた。
いずれも風除室の奥に玄関戸があるが、クマが室内に入った形跡はなかった。
ガラス2枚を割られた建設会社の女性従業員(54)は、事務所1階に居たら玄関付近で
ドーン、ドーンと鈍い音と共にガラスの割れる音を聞いた。恐ろしくなり社長室に避難。
その後もぶつかる鈍い音がしたという。
クマは正面のガラスを割って風除室の中へ入り、横のガラスを破り逃げていったとみられる。
従業員は「銃撃事件が続いており、本当に恐ろしかった。クマがガラス戸に体当たりしてくるとは……」
と話していた。付近では相前後し、3人の住民がクマを目撃していた。
日本ツキノワグマ研究所(広島県)によると、今はちょうどクマの交尾期。
「若いクマが仲間から排除され、逃げて出没したのではないか。ガラスを割ったのは空腹だったのか、
好奇心のあるガソリンなど溶剤のにおいがした場所を襲った可能性もある」と話している。
asahi.com
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