養殖に使うウナギの稚魚、シラスウナギを日本に輸出している台湾が、
資源保護などを理由に対日輸出の禁止や規制を検討していることが分かった。
日本の水産庁に当たる台湾農業委員会漁業署の当局者が明らかにした。
日本のシラスウナギは漁獲量が減り、近年、多くを台湾からの輸入に頼っている。
早ければこの冬の漁獲分から規制が実施される可能性があるといい、
ウナギの品薄や値上がりなどにつながって、日本の養殖業や食卓に大きな影響が
出ることになる。
台湾の漁業署によると、シラスウナギ不足に悩む日本の業者側からの要望もあって、
2001年に日本向けの輸出を解禁。これまで年間5トン前後を輸出してきた。
だが、同署の担当者は「シラスウナギ資源の保護のため、日本政府と同様、
輸出の禁止や期間の制限などを行おうと考えている」と述べた。
現在、業界関係者や研究者から意見を聴取し、具体的な規制内容を検討中だという。
台湾側は、台湾で養殖業者向けのシラスウナギが品薄になる3月以降に、
逆に日本側にシラスウナギを輸出するよう求めているが、日本は輸出を禁じている。
減少傾向にあるシラスウナギを一方的に輸出することには台湾の養殖業者の反発が強く、
これが、台湾側の強硬姿勢の一因になっているとみられる。
これに対し水産庁は「ただでも資源が少なくなっている中で輸出を認めたら、
資源にとってもマイナスだし、国内の養殖業者も困ることになる。
台湾の輸出規制で国内の業者に影響が出ることは考えられるが、
だからといって日本からのシラスウナギの輸出は決して認められない」と話している。
(2007/05/19 16:07)
http://www.sankei.co.jp/keizai/kseisaku/070519/ksk070519000.htm