【ニューヨーク18日時事】
週末18日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は反発し、
一時1万3539.54ドルをつけ、5営業日連続で取引時間中の史上最高値を更新した。
午前9時35分現在、ダウは前日終値比61.36ドル高の1万3538.08ドル。
ハイテク株が多く取引されているナスダック総合指数も同時刻現在
9.43ポイント高の2548.81と反発している。 (了)
http://www.jiji.com/jc/s?k=2007051801263 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成19年(2007年) 5月18日(金曜日)
通巻第1800号
http://www.melma.com/backnumber_45206/ 中国のアキレス腱を鋭利についてきた米国機関投資家
最大の投資信託「フィデリティ」が中国石油株を売却、バフェットも続く構え
全米最大の投資信託フィデリティは、資産の巧みな運用で知られ、近年は中国
の株式購入にも余念がなかった。
スーダンのダルフールの虐殺が露見して、非人道的な措置に国際的な非難を浴
びているが、そのバシル政権に対して、中国が公然と武器を輸出し、残忍な独裁
体制を支援し、あろうことかバシル大統領官邸を建てるとまで言っている。
欧米はスーダンよりも、中国非難の大合唱を再び開始した。
米国議会の108名は連署で中国に警告の書簡を送った。
有力紙「ボストン・グローブ」は社説で、「北京五輪を“ジェノサイド競技会”
と呼ぼう」と書いた。
(同紙と連携する朝日新聞の社説は?)
ハリウッドではリチャード・ギアらが立ち上がり、スピルバーグ監督も北京に
警告を発した。スピルバーグは北京五輪の芸術顧問であるのに!
議会の一部には北京オリンピックのボイコットを訴える声もある。
(平山画伯、この動きをどう見ますか?)
フランスでは温家宝首相が国会で演説をしたおりに、多くの国会議員が背を向
けて立っていた。
独裁国家、人権無視の国からきた指導者に“神聖なる国会”の場を貸すとはな
にごとか、という抗議も含まれていた。
日本の国会は温首相の演説に拍手する手合いもいた。欠席して抗議の意をしめ
したのは小泉前首相くらいだった。
米国の議員連盟のように北京に抗議文を送る議員が不在、これでは中国から軽
蔑されるのがオチだろう。
さてフィデリティである。
同社は世論に敏感である。
保有していた「中国石化」(ペトロチャイナ)の株式の大半を売却した。スー
ダンで石油を採掘し、輸入しているのは、この会社である。
フィデリティが保有していたペトロチャイナ株は、じつに11億ドル(香港時
価総額)の38%。
投資専門ファンド「バークシャー・ハザウェイ」を率いる「投資の神様」こと
、ウォーレン・バフェット(世界最大の資産家のひとり)は、同じくペトロチャ
イナの保有株を売却する動きを見せている。
五月五日の株主総会では、「いま儲かっている株式を売却するとは何事か」と反
対が多くをしめたため売却を見送ったが、全米での中国非難が高まる環境では、
いつまでの資本の論理が優先する筈はないだろう。
ブルームバーグ・ニュース(5月17日付け)によれば、中国が新しくスーダ
ンで掘削している石油は貳箇所、一日40万バーレル。
中国石化はハルツームに拠点を置き、マレーシア国営「ペトロダルス」と合弁で
、ポート・オブ・スーダンから1400キロの現場でも20万バーレルを掘り当
てたという。
昨年から紅海へ送油を開始している。