群馬県の郵便局で昨年起きた3件の連続強盗事件で、強盗罪などに問われた
元埼玉県警加須署地域課巡査長、長利(おさり)高雄被告(44)に対し、
前橋地裁は17日、懲役14年(求刑・懲役15年)を言い渡した。
久我泰博裁判長は「現職警官としての知識と経験を悪用し、繰り返し凶悪犯罪に及んだ前代未聞の事件。
警察全体への不信感を増大させた」と述べた。
弁護側は、3件目の強盗事件以外は自供しているとして自首の成立を主張したが、
久我裁判長は「捜査機関は合理的根拠に基づいて犯人と特定していた」と退けた。
判決によると、長利被告は自宅や新車のローンに加え、消費者金融からの
借り入れなど約6200万円の借金があった。月約20万円の返済に迫られて
強盗を計画し「初動捜査が遅れるだろう」と県境に近い小規模局を狙い
▽昨年6月5日に自宅があった同県伊勢崎市の東小保方郵便局▽8月7日にみどり市の笠懸鹿郵便局
▽11月8日に太田市の世良田郵便局を襲い、計約550万円を奪った。
局長らを脅した包丁は勤務先の加須署から盗んだ。
長利被告は世良田郵便局への強盗後、乗用車で逃走中に事故を起こしたが、
軽乗用車を盗むなどしてさらに逃げた。5日後に潜伏していた同県桐生市内の山林で逮捕された。
【伊澤拓也】
MSN毎日インタラクティブ
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