繁華街で酔客を飲みに誘って睡眠薬入りドリンクを飲ませ、金品を奪ったとして、
警視庁は近く、住所不定、無職沢豊和容疑者(68)を昏睡(こんすい)強盗の疑いで
逮捕する方針を固めた。「1年あまりの間に全国で70〜80件繰り返した」と供述
しているという。沢容疑者は別の昏睡強盗事件で福岡県警に逮捕されている。
警視庁捜査1課などの調べでは、沢容疑者は昨年初め、東京都墨田区のJR錦糸町駅近くで、
酔った男性に睡眠薬を飲ませて昏睡状態にし、現金数万円を奪った疑いが持たれている。
付近の路上で昨年10月、男性(68)が現金約6万円入りの財布を奪われた事件にも
関与したとみられている。
沢容疑者は昨年12月末、福岡市の繁華街、中洲の路上で、酔って眠り込んだ男性の
懐から財布を抜き取るのを警察官に見つかり、窃盗容疑で現行犯逮捕された。その後の調べに、
「東京や関西、四国などの繁華街でも、初対面の男性を睡眠薬で眠らせ、金を奪った」と
供述したという。
供述によると、沢容疑者は酔った羽振りのよさそうな同年代の男性に「店を教えてくれ」
などと話しかけ、飲み屋に誘い、一緒に飲食。「二日酔いに効く」と、睡眠薬を溶かした
瓶入り栄養ドリンクを飲ませていた。
信用させるため、自分用のドリンクも用意。相手に飲ませるつもりの瓶を誤って自分で飲み、
眠り込んでしまう失敗もあった。犯行後、同じ繁華街で被害者に出くわして逃げたこともあった。
http://www.asahi.com/national/update/0515/TKY200705150232.html