東京都荒川区の「三ノ輪橋」と新宿区の「早稲田」を結ぶ都電荒川線(約12・2キロ)で、
大正から昭和初期の旧東京市電をイメージしたレトロ調車両が完成し、8日、報道陣に
公開された。
都電に観光客を呼び込む起爆剤にしようと、都交通局が約2億円かけて製造した。
今月末から同路線に登場する。
都電は最盛期の1943年には41路線が運行、1日に平均193万人が利用し、都民の
足として欠かせない存在だった。しかし、60年代後半からは廃線が相次ぎ、現在運行
しているのは荒川線だけ。同線の利用者も年々減り続けている。
レトロ車両はえんじ色とクリーム色が基調の外観。内装は真ちゅう風の手すりに木目調の壁、
随所に円形窓を採用するなど、凝った作りになっている。今月中には三ノ輪橋停留場に
ガス灯を模した照明が取り付けられ、座席に腰を下ろすとタイムスリップしたような気分を
楽しめる。
(2007年5月8日22時11分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070508ic21.htm