スポーツ振興くじ(サッカーくじ、toto)を運営する日本スポーツ振興センターは、
くじの対象を従来のJリーグ主催試合から、ワールドカップ(W杯)などの国際試合に
拡大する方針を固め、本格的な検討を始めた。売り上げ低迷が続き、くじ本来の
目的であるスポーツ振興への助成金も先細りする中、ファンの関心が高い国際試合
で売り上げ増を狙う。
totoの対象試合はスポーツ振興投票法で、「文部科学相が指定する機構の主催
する試合」と規定されている。現在、機構にはJリーグ(社団法人・日本プロサッカー
リーグ)が指定され、totoの対象試合はJリーグ加盟のチーム同士の試合に限定
されている。
しかし、06年のW杯期間中には、J1の試合が休止されたため、totoのうち主力商品の
販売を休まざるを得なかったほか、Jリーグのオフシーズン(1〜2月)は全商品の販売
ができない。このため、同センターは「W杯やオフシーズンの空白期間を埋める必要が
ある」と判断。ドイツやフランス、韓国なども実施しているW杯対象のくじ販売のほか、
他国のプロリーグ戦を対象にするくじ販売も視野に入れ、文部科学省に法改正を働き
かけている。
文科省企画・体育課は「諸外国の状況を勉強し、totoの制度に取り入れられるか、
前向きに検討している」と話している。同センターは「totoに関心をひきつけ、
(売り上げ増の)起爆剤になるかもしれない。できれば08年シーズンから実施
してほしい」と法改正の早期実現を求めている。【高山純二】
毎日新聞 2007年5月2日 15時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070502k0000e050064000c.html