玖珠町で五月五日に開かれる「日本童話祭」のシンボル「ジャンボこいのぼり」が二十日午前、
祭り前の虫干し中に、大きく裂けてしまった。関係者は「童話祭までに修復を間に合わせたいが…。
どうしたものか」と困り果てている。
ハプニングは午前十時三十五分ごろ起きた。この日、九時四十分ごろから玖珠川河川敷で、
町職員ら約十人が作業を開始し、全長五十メートルのアオゴイは約一年ぶりの日光浴を楽しんでいた。
直径八メートルの口をポッカリ開け、春風を気持ち良く吸い込み、体内には近くの保育園児が入り
「でっけー」などと言いながら元気よく走っていた。
その時、「ビリビリッ」と音をたて、口元からしっぽの方に向かって約四十メートルも裂け、”二枚に
おろされ”てしまった。一瞬の出来事だった。
体内に入って遊んでいた園児らは何が起こったのか分からず、急に視界に飛び込んできた青空を
ポカンと眺めていた。
町職員らは、裂けたこいのぼりのそばで立ちすくみ、ぼうぜん。
ジャンボこいのぼりは三種類ある。破れたのは河川敷会場でクレーンにつるされ大空をダイナミックに
泳ぐ全長五十メートルのアオゴイ。一九九一年に作られた。ほかに全長六十メートルで同会場での
人気イベント「くぐり抜け」に使われるマゴイ(一九九一年製)、三島会場で角埋山中腹で泳ぐ
全長三十五メートルのヒゴイ(一九九七年製)がある。三匹とも町民がボランティアで手作りした。
関係者は「老朽化し、布が傷んでいたのかもしれない。お客さんから人気が高いので、五月五日までに
修復するように努力したい」と力なく話した。
大分合同新聞
http://kiji.i-bunbun.com/read/read.cgi?1176994800=117704305219826=2