一流の技と心「仙女」に直伝 女子プロレス再興へ
http://www.kahoku.co.jp/news/2007/04/20070416t14038.htm http://www.kahoku.co.jp/img/news/2007/20070416007jb.jpg 【写真:レスリングの抑え込みを選手に指導する山本さん(左)=センダイガールズプロレスリングの道場】
仙台市の女子プロレス「センダイガールズプロレスリング」に、東京などから多彩な臨時コーチが駆け付け、若い選手を指導している。
男子プロレスの鬼軍曹山本小鉄さん(65)、女子プロのカリスマ、俳優など教え上手ぞろい。
選手は日常の練習にない刺激を受け、プロとしての技を磨いている。
「おう、やってるかー」。
今月上旬、元プロレスラーの山本さんが青葉区愛子東の道場に姿を見せた。
指導の厳しさは折り紙付きだ。
技のかけ方、筋力トレーニングを選手5人と練習生2人に教えた。
足の関節技やヘッドロックを実際にかけると、悲鳴を上げたり泣きだしたり。
奥田朱理選手(17)が「痛い思いをたくさんした分、勉強になった。
寮に戻ったら学んだことをノートに書き留めたい」と息を弾ませた。
ほかにも、クラッシュギャルズとして人気を集めた元レスラーの長与千種さんや、現役で活躍するジェネシス所属のKAORU選手、フリーの植松寿絵選手が昨年から訪れ、手ほどきしている。
俳優の山田アキラさんは殺陣の技を通して、足さばきや対戦相手との間合いの取り方を伝えた。俳優の宇梶剛士さんもプロの心構えを説いた。
昨年7月に旗揚げ戦を行った「センダイガールズ」。
他団体で経験のあるエースの里村明衣子選手(27)を除き、6人は格闘技を学んだ経験がほとんどない。
山本さんを呼んだのは里村選手。
「一度、練習を見てほしい」と直訴した。
女子プロレス界は、全国的には苦戦。
一昨年、首都圏最大手のGAEA・JAPAN、老舗の全日本女子プロレスが解散、道場を持つ団体は4つだけとなった。
その中で「センダイ」は毎試合、会場が満員になる希望の星。
「ぜひ、踏ん張ってほしい」というのが関係者の願いで、指導者の多くは手弁当で訪れる。
里村選手は「男子や演技の世界からも良い部分を取り入れ、飛躍のきっかけにしたい」とレベルアップを誓う。
山本さんは「技を高めて大型選手を倒し、観客を魅了してほしい」とエールを送る。
センダイガールズプロレスリングは、興行会社「みちのくエンタテインメント」(仙台市)が2005年7月に設立。
「仙女」の愛称で親しまれ、毎月1回、宮城野区のゼップ仙台でゴングが鳴る。
2007年04月16日月曜日