世界遺産ガラパゴス諸島の保護を強化へ エクアドル
キト──南米エクアドルの沖合に浮かぶユネスコの世界遺産ガラパゴス諸島が、環境破壊の危機に
直面しているとして、エクアドルのラファエル・コレア大統領は10日、閣僚に対し、保護策を議論するよう
指示した。対策として、観光客の立ち入り制限などが検討される見込み。
ガラパゴス諸島は、エクアドルの西約1000キロの太平洋上にある火山群島。英科学者チャールズ・
ダーウィンが、各島に生息する小さな鳥「フィンチ」の形態の違いをきっかけに、「進化論」を著したと
されている。
多様な固有動植物が生息しており、ユネスコが1979年に世界遺産(自然遺産)に指定。世界各国から
観光客が訪れるため、エクアドル屈指の外貨収入源となっている。
しかし、観光客の増大と諸島の居住者が増加し、環境破壊が顕著になっている。ユネスコは今年3月、
エクアドル当局に対し、もろくて繊細なガラパゴスの生態系が危機に直面していると警告。これを受け、
コレア大統領が議論の緊急命令を出した。
保護対策として、観光客の訪問を制限するほか、諸島居住者の規制強化、諸島への航空機乗り入れの
制限などが考えられている。
ガラパゴス諸島の住民は現在、約1万5000人。観光業や漁業などで生計を立てている。エクアドル政府は
昨年、住民約5000人を、エクアドル本土へ移住させる計画を発表している。
CNN.co.jp 2007.04.12 Web posted at: 15:11 JST - CNN/AP
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200704120013.html