東京都内などで相次いでいる宝石店などの壁に穴を開けて侵入する窃盗事件で、
警視庁に逮捕された中国人らが、かつて同様の手口で盗みを繰り返した香港系
窃盗集団「爆窃(ばくせつ)団」が拠点にしていた都内のアパートに繰り返し立ち寄って
いたことがわかった。
同庁は最近の一連の事件はこの「爆窃団」のメンバーの一部が主導、または情報提供
していた可能性があるとみて逮捕した中国人らを追及している。
捜査3課などは今年3月、東京都港区内の時計店から昨年11月に大量の時計が
盗まれた事件で中国籍で住所不詳、無職荘兆邦容疑者(44)ら2人を逮捕。4月に
渋谷区の百貨店が荒らされた事件で台湾出身で住所・職業不詳、頼錦洪容疑者(52)
ら2人を逮捕した。荘容疑者と頼容疑者は別々のグループという。
調べでは、荘容疑者ら2人は事件の前後、都内のアパートの一室に頻繁に立ち寄り、
泊まることもあったという。同課は荘容疑者らの逮捕後もアパートの監視を続け、
頼容疑者ら2人の出入りを確認。頼容疑者らが、盗品の値札をアパート近くの
コンビニエンスストアのゴミ箱に捨てたことを確認し、逮捕した。
両容疑者らが出入りしていた部屋は、99年に警視庁が逮捕した爆窃団のメンバーが
アジトとして使っていた。荘容疑者らが同じ部屋をアジトにしていたことから、同課は、
荘容疑者や頼容疑者が爆窃団のメンバーから情報を得て来日した可能性があるとみている。
今回逮捕した4人は頻繁に出入国を繰り返していた。来日後、アパートの一室で盗みの
計画をたてるとともに、事件後は盗品を運び込んでいたらしい。部屋を捜索した際は
盗品はなく、事件後すぐに海外に送っていたとみられる。
警視庁は荘容疑者ら2人は主に個人商店を狙い、頼容疑者ら2人は主に百貨店などに
侵入していたとみているが、他にも実行グループやそれをまとめる指示役がいるとみて調べている。
朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0411/TKY200704110198.html