刑事事件で起訴された被告が否認している場合に裁判所が保釈を認めない「人質司法」を打破しようと、
日本弁護士連合会は今月から、全国8カ所の裁判所で一斉に保釈請求する運動に乗り出した。請求が却下
された場合は準抗告・抗告して徹底的に争うよう求め、保釈が認められなかった理由を調査する。保釈請求
しなかった事情の報告も求めており、結果は今秋にもまとめ公表する。【渡辺暖、木戸哲】
日弁連は、釧路▽青森▽群馬▽愛知▽兵庫▽岡山▽徳島▽佐賀の8カ所を指定し、地元弁護士会に所属する
全弁護士に対し、7月末までに起訴され保釈が認められない全被告の保釈を請求するよう呼びかけた。こうした
運動に乗り出したのは「裁判官の判断が厳しすぎて保釈される被告の割合(保釈率)が下落した」との弁護士側の
指摘に対し、裁判所側から「弁護士が保釈請求しないから保釈率が下がった」との反論が出ているためだ。
弁護士側には「裁判所が保釈を認めないので、やみくもに請求することを控えているだけだ」との反発があり、
日弁連はどちらの言い分が正しいか検証する。
保釈について、刑事訴訟法は被告の権利と位置づけているが、否認や黙秘をしている場合は「罪証隠滅を
疑う理由がある」との刑訴法の例外規定を根拠に、裁判所が請求を却下することが多い。こうした裁判所の
姿勢には「自白を強要して裁判で争う権利を奪っており、えん罪を生む」との批判が根強くある。
日弁連刑事弁護センター制度改革小委員会の竹之内明委員長は「保釈率低下の原因を明らかにして、保釈率が
向上するよう制度改正につなげていきたい」と話している。
【保釈率】起訴後も拘置が続いた被告の中で、保釈された人の割合。72年の約58%をピークに減少を続け、
ここ数年は13〜14%で推移する。一方、78年まで90%を超えていた保釈請求率も年々低下し、現在は
25%前後。保釈請求を受けた裁判所が保釈を認める割合は65年以降、毎年ほぼ50%台となっているが、
裁判官からは「裁判所の基準が厳格化しすぎているので見直す必要がある」との意見も出ている。
毎日新聞 2007年4月11日 15時00分
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