【国際】キリマンジャロ 雪細る万年雪 温暖化、世界遺産に被害[04/11]

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1泣かないで枝毛(070514)φ ★

国連教育科学文化機関(ユネスコ)は10日、地球温暖化によって世界遺産が受ける
影響を調査した初の報告書「気候変動と世界遺産に関する事例研究」を発表した。

氷河や雪の溶解、生態系の変化が自然遺産をむしばむだけでなく、気象や地下水の
変化によって文化遺産も大きな被害を受けることがわかった。

ユネスコが今回調査の対象としたのは「氷河」「海洋生物多様性」「地上生物多様性」
「考古遺跡」「歴史的都市と居住区」の5分野の遺産や遺産候補26カ所。50人の専門家を集めた。

温暖化の影響が顕著なのは氷河や氷雪などの自然遺産。世界最高峰エベレストを含む
ネパールの「サガルマタ国立公園」では、氷河の後退によって土砂が谷をせき止め、
多数の氷河湖が出現。決壊による洪水の心配が高まっている。雪の減少でユキヒョウ
など希少動物の生息環境にも異変が起きている。

タンザニアの「キリマンジャロ国立公園」では1万年以上維持されてきた万年雪が20世紀
だけで8割失われ、このままだと15年以内にすべてなくなる。

海では、豪州のサンゴ礁「グレートバリアリーフ」で海水温度の上昇による白化現象が顕著だった。

文化遺産も大きな影響を受けている。ペルーのインカ帝国以前の遺跡「チャンチャン考古地域」は、
エルニーニョ現象による多雨などが遺跡に被害を与えている。「ロンドン塔」など英国の
テムズ河畔の遺産は、水位上昇によって地面の水分が増え、建築物が影響を受けている。

朝日新聞 2007年04月11日11時24分
http://www.asahi.com/science/update/0411/TKY200704110105.html