ソウル大が2008年度の入学試験で、特技入試枠として全体の29.4%に当たる929人を選抜すると発表した。
この枠は06年度入試では426 人、07年度入試では683人だった。特技入試では主に数学や科学の英才を選抜
するため、科学高等学校の卒業生が有利となっている。ソウル大はまた、一般入試を2段階選抜とし、まず
修学能力試験(日本の大学入試センター試験に当たる)で定員の2?倍程度を選抜し、2次試験で内申書から
50%、論述試験から30%、面接試験から20%を反映させ、選抜することにした。ただし内申書の評価では、
1等級・2等級ともに満点として扱う。母集団の11%以内に入れば、満点を得ることができるだけに、内申書の
点数が影響を与えるケースは実質ないことになる。
結局ソウル大の入試計画案は、科学高等学校出身者を多く選抜しようというものであるとともに、9等級制が
導入されて差がつきにくくなった修学能力試験は1次選抜にのみ利用し、科学高等学校・外国語高等学校・
自立型私立高等学校(通常の私立高校とは異なり、カリキュラムなどを自主的に決定できる学校)の卒業生には
不利な内申書の影響は抑え、論述で合否が左右されるものとなっている。一方、高麗大・延世大・成均館大は先月、
修学能力試験を重視する入試計画案を発表した。これらの動向を総合的に見ると、内申書重視の選抜を行うよう
求めている教育部の圧力があまり効果を上げていないことがわかる。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は8日、「(高校等級制・本試験導入・寄与入学制を禁止している)『3不政策』
に反対する社会的な雰囲気を変えることができなければ…環境に恵まれ、金持ちの人々だけ大学に進学し、貧しく
恵まれない人々は大学に進学できない状況となるだろう」と語った。さらに金信一(キム・シンイル)教育副首相
は全国を巡回し、3不政策を広報する説明会を20回開催するとしている。
400点満点である修学能力試験模擬試験の結果を見ると、平均点が364点の学校もあれば、109点の学校もある。
しかし盧武鉉政権は平均点が高い学校の生徒たちは保護者が金持ちであり、多くの金を掛けて家庭教師をつけたため
成績が良く、平均点が低い学校は保護者にそうした余力がなかったために差をつけられたものであるのだから、
大学入試では学校に関係なく内申書が同等に評価されなければならないとしている。だが教育部が要求している通り
のやり方でいくなら、それはもう入試とは呼べない代物となる。呼び名も「くじ引き」とすべきだろう。そんな
制度を導入すれば、生徒の成績を上げるために努力する学校や教師などいなくなってしまう。
学校間に存在する学力水準の違いを入試に反映するのは、何も学校の順位を固定化し、高校の序列を階級化しよう
というものではない。後れを取った学校には奮起してもらい、先を行く学校にはその位置を維持できるよう努力する
ようしむけ、教育全体の水準向上に努めようというのが目的だ。それにもかかわらず3不政策などという平等一辺倒の
政治スローガンを叫び続けるなら、それは教育の向上や国家の発展を放棄しようという話にほかならない。
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
ttp://www.chosunonline.com/article/20070409000023