サッカーくじの運営主体である独立行政法人日本スポーツ振興センターが、あからさまな
取材制限を始めています。
売り上げから、スポーツ団体などへの配分を決める助成審査委員会。年2回の会議は、
これまですべての報道機関に公開されていました。しかし、5日の委員会から突然、
「運動記者クラブ」に限るとし、加盟していない本紙などの取材を拒むという態度に出ました。
「なぜ記者クラブに限定するのか」とただしても「センターの方針です」(広報)の一点張りで
明確な説明がありません。さらに別の担当者にいたっては、「1月の委員会で決まったこと」と、
事実でない理由まで持ち出し、「決定」を正当化しようとしました。
サッカーくじ法が国会で議論されていた際、「透明性」が一つの焦点となりました。これにたいし、
当時の町村信孝文部大臣は、こう答弁していました。「この振興くじが厳正、公正な運営を
することが絶対条件」とし、「運営に関する情報開示、あるいは配分にかんする情報開示等々
をしっかりやること」を、約束していました。
情報開示の徹底は、公正な運営の保証となります。この答弁を踏まえれば、明確な理由なく
それを制限することは、あってはならないはずです。国会の論議を踏まえ、法律の第三十条
では、情報公開を徹底するため「国会報告」が加わりました。さらに、衆参の委員会の「付帯
決議」でも「運営全般にわたって公正及び透明性を十分確保すること」が盛り込まれています。
助成審査委員会は、収益の配分を決める、国民に向けて最も「透明性」が求められる機関の一つ。
これまでどの報道機関にも公開にしてきたのは、そうした趣旨からでしょう。
センターは、今回の措置を「報道の制限とは思っていない」と主張します。しかし、これは、
だれの目からみても、制限であり、公開性の後退です。十分な情報開示と透明性は、
国民への“公約”だということを、センターは肝に銘じるべきです。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-04-06/2007040611_01_0.html