LG電子の中東ドバイ法人に勤めるキム・チユン次長(テレビ担当)は、
最近ドバイの税関で「LGのロゴの入った14インチ・テレビが通関中」とのうわさを聞き、
驚いた。LG電子は6年前から20インチ以下のテレビを生産していないからだ。
急いで税関に駆けつけたキム次長は、
停泊中の貨物船からLGのロゴ入りテレビ(模造品)1050台を摘発した。
キム次長は「これまでは中国国内でのみ流通していた“模造品”が、
最近ではドバイを経て中東向けに輸出されていることが分かった」とまゆをひそめた。
▲グローバル市場で進化を続ける模造品
模造品といえば、2年前までは主に中国の不法業者によって
中国国内流通用に大量生産されるのが常だった。
しかし、最近ではドバイ、イラク、イエメンなど中東にまで流出している。
実際、LG電子が今年初めに摘発した中国深センの模造品生産工場も、
昨年12月に中東のイエメンでLGの携帯電話の模造品が摘発されたのをきっかけに調査していく
過程で突き止めたものだ。
これに先立ち昨年8月には、やはりイラクで販売される予定だったLGの洗濯機の模造品1500台が
ドバイで摘発されている。
また、サムスン電子も昨年11月に深センで「SAMSUNG」のロゴ入りの携帯電話5万個と
取り扱い説明書を押収し、当該業者を告発している。
▲国内メーカーの強い対応
模造品の摘発件数は今も増え続けている。
これは、それだけ問題が深刻な水準にまで至っていることを意味している。
サムスン電子とLG電子の両社が摘発した自社製に似せた模造品は、
2004年には約100件にすぎなかったものの、昨年は2倍を上回る230件に上った。
これらの製品のほとんどは、現地で定価の 20%から30%水準で売られている。
LG電子特許グループのイ・ヨンサン部長は「昨年、LGのチョコレートフォンが
世界的なヒットを飛ばすなど、高価なプレミアム市場で韓国メーカーが優位に立ったことで、
このような現象がより深刻化し始めた」と話している。
一方、これに対する韓国メーカーの対応も強まっている。
LG電子は現在中国で5社、ドバイで2社の代行会社を雇い、模造品の摘発に乗り出している。
また、今年4月には、アラブ首長国連邦、クウェート、サウジアラビアの税関職員を対象に、
模造品の識別方法について教育する予定となっている。
また、サムスン電子も摘発した模造品メーカーに対し刑事上の責任を問うなど
積極的な対応を見せている。昨年だけも中国でサムスンの金型ロゴ2万個を無断製造した組職と、
サムスン携帯電話のバッテリー9000個を製造・販売した模造品メーカーの責任者に対し、
懲役刑が言い渡されている。
サムスン電子の関係者は「幸い中国政府が国家イメージの改善に向け、
模造品の取り締まりを積極的に行っており、これが功を奏している」と話した。
卓相勲(タク・サンフン)記者 朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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