出産時過失、男児に障害−三豊総合病院
香川県観音寺市の三豊総合病院で2000年1月、出産時に胎児の異常を見落とし、
生まれた男児に重度の障害が残った医療事故があったことが19日、分かった。
男児が脳性まひとなり五年後に死亡したのは病院側の過失として三豊市内の両親が
高松地裁に提訴、同病院は同日までに一部過失を認め、両親に和解金6500万円を
支払う方針を固めた。
20日に開かれる同病院組合の3月定例議会に、和解の承認とそれに伴う予算措置を
求める議案を提出し、議決を受けた上で、今月中にも正式に和解する見通し。
訴状によると、母親は2000年1月22日に陣痛を訴えて同病院に入院。分べんを担当した
医師は、胎児が重度の仮死である兆候が分べん監視装置に示されているにも関わらず、
それを見落としたため、帝王切開などの緊急措置をとらず放置した。生まれた長男には、
重度の脳性まひが残り、それに伴う呼吸不全などが遠因となって、05年8月に死亡した
としている。
両親は2005年11月、同病院を相手取り、9490万円の損害賠償を求めて同地裁に提訴。
当初、病院側は争う姿勢をみせていたものの、06年11月に同地裁から和解勧告を受け、
和解を検討していた。
白川和豊同病院長は「(担当医師らが)仮死の兆候である心拍数の低下を見落とした過失が
あったのは事実。事故後に助産師を増員するなど再発防止策を講じており、今後とも医療の
安全確保に努めていきたい」としている。
両親は「当初、病院から『ミスはない』などと言われたが、謝罪の言葉があったと聞いている。
一部の過失しか認められず残念な気持ちはあるが、今後このような医療ミスが起きないように
してもらいたい」と話している。
四国新聞 2007/03/20 12:12
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/social/article.aspx?id=20070320000232