2007年03月15日
「うちの教材さえやれば、必ず80点以上はとれます」
――うそのセールストークで高額の解説書などの教材を強引に訪問販売していたとして教材販売業者3社に対し、経済産業省は15日、特定商取引法(特商法)違反で、6カ月間の業務停止命令を出した。
全国の消費生活センターなどには、3社に関する苦情や相談が、03年度以降1500件以上寄せられており、経産省が確認しているだけで、3社の違法販売に遭った消費者は、04〜06年で約40人、契約総額で約6200万円にのぼる。
命令を受けたのは、ベスト教育社(本社・大阪市)と、同社が設立したカスタム教育出版(同)、アドバンス教育センター(同)。
経産省は、3社は教材を勧誘する際、うその説明をする「不実告知」や長時間居座る「迷惑勧誘」、訪問目的を言わない「勧誘目的の不明示」など、特商法違反にあたる行為があったと認定した。
昨年9月、カスタム社の社員は、中国地方の中学1年の子どもがいる女性宅に電話をし、「お子さんにいい勉強法を教えます」と言って、訪問の約束をとりつけた。
営業マンが10月に女性宅を訪問、「テスト前にうちの予想問題をやれば80点以上は必ずとれますよ」と中学の補習用教材を勧誘した。
夜の7時半から10時ごろまで居座り、約60万円で契約させた。しかし子どもは、直後に中間テストを受けたが、予想問題はほとんど外れたという。
同省などによると、ベスト社は、医歯薬系進学予備校を経営するグランプリ(本社・大阪市)のグループ企業、進路指導センター(同)などによって設立された。広島、福岡両県から、01年以降、3回行政指導を受けている。
取材に対しベスト教育社は「一部に行き過ぎた営業行為はあったかもしれない。昨年末に学習教材の訪問販売はやめている」と話している。
全国の消費生活センターへの「補習用教材」に関する相談は、96年度以降、7千〜8千件台でほぼ横ばいで推移している。しかし、相談者1人あたりの平均契約金額は、05年度に約80万円から約100万円に増加した。
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